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進化したい脳 [心理学]

  1920年代に、少なからぬ心理学者達が学習と記憶に関する問題への解答を求めて、神経科学へと転じた。その中でも、取分け目立ったのがカール・ラシュレーで、ラシュレーによって神経結合が果たす役割の検討への道が開かれた。だが、連合学習の過程で実際に何が起っているのかを説明する理論を定式化したのは、ラシュレーの学生であったカナダの心理学者ドナルド・ヘップだ。

 ヘップによれば、神経細胞同士が連合するのは、それらが同時的かつ反復的に活性化する時だ。その時、シナプスないし連結がこの結合を更に強化する。何度も実験した結果、「セル・アセンブリ(細胞集成体)」即ち連結された神経群のグループが脳内に形成された神経群のグループが脳内に形成される事が解った。この理論は、屡々「同時に発火した細胞は同時に結びつく」と表現される。同時に、分離状態にあるセル・アセンブリーでも連結が為されると、私達が思考過程として認識する「一連の局面」が形成される。

 ヘップは、この連合課程が幼児期(即ち、新しいセル・アセンブリーと一連の局面とが形成途上にある時期)の学習で、取分け顕著に認められるのに気付いた。その著書『行動の機構』(1949年)で、ヘップは足音を聞く赤ん坊の例を挙げている。この場合、足音は赤ん坊の脳内の数多くの神経を刺激する。同じ経験が繰り返されると、セル・アセンブリーが形成される。その結果、「赤ん坊が足音を聞くと‥‥アセンブリー(集成体)が刺激される。このアセンブリーが依然活動中に、赤ん坊は顔を目にし、自分を抱上げる腕を感じる。これが別のアセンブリーに興奮を齎す(その結果、『足音アセンブリー』は『顔のアセンブリー』及び『抱上げられるアセンブリー』と連合する。この後では、赤ん坊が足音を耳にしただけで、これら3つのアセンブリーに興奮が齎される)」。だが成人の場合、学習は新しいアセンブリーの形成には向かわず、既成のセル・アセンブリーと一連の局面の再調整に向かう傾向を持つ。

 ヘッセのセル・アセンブリー理論は、今では現代の神経科学の土台となり、神経学習についてのヘップの説明は、ヘップ式学習として知られているが、今尚受入れられているモデルだ。

 今、筆者は「聡太の脳」で記事を連載し続けているが、その見地から「赤ん坊」を「進化したい脳」と読替えるべきだ。


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