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人間の振舞いの循環的因果性に目をつけたポール・ワツラウィック [心理学]

 心理療法は時に、患者が自分と、それ迄の経歴と、行動についての自己理解を獲得する事を過度に重視する。その基礎には、感情的苦しみと向き合い行動を変えるには、自分の感情パターンの根が何処にあるかを理解する必要があると言う信念がある。オーストリア出身の米国の心理学者ポール・ワツラウィックは、この過程を「洞察」と呼ぶ。例えば、自分のパートナーから振られた後、異様に長い間悲嘆にくれている男は、子供の頃に母親から捨てられた為に、捨てられる事に根の深い問題を抱えている事に気付くと言うケースがあったとしよう。だが、これ迄多くの療法家達は、そんな洞察は感情的苦しみに立ち向かうには無用だと結論してきた。だが、ワツラウィックも含めた一部の療法家は、この洞察のせいで、患者が前より悪くなる事があると主張する。

 ワツラウィックは、自分を掘り下げるような深い理解の結果として当人が変化する事例等一つも想像できないと述べた。過去の出来事の理解が現在の問題に光を投じる助けとなるという信念は、因果関係の「短視的な」見方にも影響されている。ワツラウィックは、人間の振舞いの循環的因果性という考えに惹きつけられた。それによれば、人々は繰り返し同じ行動を辿る傾向を持つ。

 ワツラウィックによれば、時に洞察は現実の問題並びにその潜在的な解決の方法に対して目眩ましとなる。ワツラウィックはブリーフセラピーを支持するが、それは特定の問題に的を絞り、取組むことで、ずっと直接的により早い解決に至る狙いを持つ。だがワツラウィックはその一方で、成功を収めようとするどんな療法家にも必要なのは、患者を支援する関係を提供する事だとも感じていた。

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