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カール・ラシュレーによる記憶の追跡 [心理学]

生理学から心理学に転じた米国のカール・ラシュレーは、学習過程で大脳内では物理的に何が起こっているのかに関心を持った。

パヴロフ等の行動主義者が、条件付けによって大脳の内に化学的ないし電気的な変化が生じる可能性を仄めかしていたが、その変化がどんなものなのかを、正確に突き止めようとしていたのだ。

取分け、ラシューレは、記憶痕跡即ち大脳内で記憶を司る特定の領野とされる「エングラム」の位置を明確にしたいと考えた。


多くの行動主義者達と同様、ラシューレも学習実験の基礎として迷路の中のモルモットを用いた。

最初にモルモットは迷路を迷路を抜け出して報酬である食餌に到達するルートを見出す事を学習した。

次いで、ラシューレはこのモルモットに外科手術を施して、大脳皮質の特定の異なった部位を夫々除去した。


その後、モルモットは改めて迷路に入れられ、記憶と学習の能力をテストされた。

この結果分かったのは、大脳のどの部位が除去されても、課題についてのモルモットの記憶は維持されていたという事だ。

モルモットの学習と新しい課題の記憶力とは減衰したが、どの位減衰するかはダメージの部位では無く、ダメージの広がりに左右された。


そこからラシューレは、記憶痕跡は特定の部位に局在化されているのでは無く、大脳皮質全体に均等に割り振られていると結論した。

大脳の各部位はどこも同等に重要であり、言い換えれば等位なのだ。数十年の後、ラシューレはその実験によって「時として、必然的な結論は、そもそも学習等可能ではない…という事になるように思われるに至った」と語った。

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