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壮大な天与の迷路、これこそ私達人間の世界だ [心理学]

エドワード・トールマンは、米国の行動主義心理学の主導的人物と目されてはいるものの、ソーンダイク及びワトソンとはとても異なるアプローチを採用した。

トールマンは、心理学は客観的かつ科学的な実験によってのみ研究され得るという行動主義の基本的方法論には賛意は示すものの、知覚や認知、動機付けといった精神過程にも関心を示していた。

ドイツでゲシュタルト心理学を学んだ折に、そうした問題に出逢ったのだ。


それまでは分断されていたこの2つのアプローチの橋渡しする事で、トールマンは条件付けの役割に関する新たな理論を発展させ、彼の用語では「目的的行動主義」、今でいう認知的行動主義を創造した。

トールマンは、(行動は刺激に対する自動的な反応によって容易に学ばれると言う)条件付け学習の基本的前提に疑問を投げかけた。

トールマンの考えでは、動物は周囲世界について、報酬で強化される事無く学んでおり、後になってその知識を行動の決断に際して活用もする。


トールマンは、迷路とモルモットを用いて一連の実験を計画したが、その目的は学習における強化の役割の吟味にあった。

迷路脱出に成功する度に毎日食餌という報酬を与えられたモルモットのグループと、6日経ってようやく報酬を与えられたグループ、更に2日後に報酬を与えられた第三のグループを比較する事でトールマンの考えは裏付けられた。


第2、第3のグループは、食事の報酬が与えられた後の日の迷路脱出実験においても、殆ど誤りを犯さなかったのだ。

これは、これらのグループのモルモットが迷路の中での自分たちの辿るべき道を既に「わかって」おり、報酬を受けるよりも前にそれを学習してしまった事を証明している。

一度報酬が与えられたなら、モルモットは既に確率されている「認知マップ」を活用して、より早く迷路を脱出することさえ可能になる。


トールマンは、モルモット達の最初の学習期間━その際には、未だ明確な報酬は与えられていない━を「潜在的学習」期間と見做す。

トールマンの考えでは、人間も含めてあらゆる動物は、日々の暮らしを営む中で、周囲世界についての認知マップを作り上げる。

この「壮大な迷路」は、その都度特定のゴールを位置付けるのに用いられ得る。


トールマンは、私達が毎日の移動の中で様々な場所をどのように覚えているかを例にだす。

私達は、ルート上にあるどこかを特定する必要に迫られない限り、自分が既に知っているはずの事を一々思い起さない。

更なる実験で、モルモットが学習するのは単に特定の場所に至るのに必要な曲がり角ではなく、場所の感覚である事が明かになった。

『新行動主義心理学━動物と人間における目的的行動』の中で、トールマンは潜在的学習と認知マップについての自らの理論の概要を提示し、行動主義の方法論とゲシュタルト心理学を結び付けて、認知と言う要素を導入した。

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